文化的な生活とは何か?
この世には
価値観を共有する事に無上の喜びを感じる人が居る。
その一方で、固有の経験や生き方に誇りを持つ人間も居る。
虎の威を借る狐の如く、学術的権威を持つモノを頼みとして
一人の人間の私生活の奥深くまで興味本位で許可無く立ち入り
ただ下賤な動機でその人物を記録し寸評し、あたかもその人物の全てを知り得たかのように思い込む。
そのような人々もいる。
この地の先住民も生物学的にヒトだった。
そして、生物学的な意味合いでのヒトである以上に学術では測り得ない人生や過去を持つ存在だった。
彼等を弾圧する者達は何をしたか?
彼等から文化を奪おうとした。
誇りや尊厳を奪おうとした。
彼等を研究する部外者達は何をしたか?
彼等を差し置いて彼等を語ろうとした。
そして彼等を差し置いて語る言葉を唯一絶対の真実にしようと目論んだ。
既に十分幸せであるとか、死ぬ方が楽だとか、生まれてきた事が罪であるとか
他人の私的な人生の全てを容易く簒奪可能であると考える人達の軽薄さには辟易する。